ウルトラマンエース第26話「全滅!ウルトラ五兄弟」.第27話「奇跡!ウルトラの父」に登場
東京に突如出現したヒッポリト星人は身長が200mを越すものでった。「我らは宇宙で一番強い生き物だ」と豪語し、エースの引き渡しを要求する。「さもなくばこの世の地獄を見せてやる。まずは風地獄を見よ!」そう言うとヒッポリト星人は細い口の先端から強烈な風を噴射したのだ。この時、エースに変身しようとする星司と夕子に「エースになってはいけない。お前たちの勝てる相手ではない。」との声が聞こえてくる。そしてエースリングが光ることなかった。
この星司と夕子に忠告をあたえる声ですが、結局誰であったかの説明はありません。普通に考えるとウルトラ兄弟の誰かだとは思いますが。
また、風を噴射する「風地獄」や炎を吹き出す「火炎地獄」などの能力を持ち、人々に地獄を見せるとの発言からヒッポリトには「地獄星人」の名称があたえられているのだと思われます。
200mを越す身長のヒッポリト星人は、結局はなれた場所からスモッグに自分の姿を投影してるだけなのですが何故か風地獄や火炎地獄の能力までも投影先に現出させています。このため、タックスペースがヒッポリトの身体をすり抜けるという現象を目の当たりにしても、それが虚像であることにタックが気づくことはありません。タックの頭脳とも言える梶隊員もヒッポリトの身体細胞のすきまが広い「寒天のような細胞」であると予想していますが、梶さん意味がまったくわかりません!
やがて東京のヒッポリト星人は幻影にすぎないと見破った星司と夕子はエースに変身後、谷間にいる本体のもとへ飛来しバトル開始となります。一時優勢かと思われたエースですが、空中から現れた透明の円筒形のカプセルに閉じ込められ、ヒッポリトタールによってブロンズ像にされてしまうのです。そしてエースを助けにウルトラ4兄弟がやってくるのですが、ゾフィ、マンがまずカプセルに閉じ込められ、助けようとした新マンもウルトラブレスレットを発射しようとした瞬間にカプセルの餌食となります。セブンと戦いを繰り広げるヒッポリトですが、セブンと互角に渡り合います。やがて弱ったセブンはカプセルの中に・・・ウルトラ4兄弟もあえなくブロンズ像にされてしまうのでした。
ウルトラ5兄弟を倒したヒッポリトに対し果敢に挑むタックですが、その実力差はいかんともしがたく、あえなく全滅かと思われたその時、天空から緑色の光が降臨してきます。ヒッポリトの足下で爆発した光から出現したのは、巨大な角を振りかざす『ウルトラの父』だったのです!
ウルトラの父の姿は当時の雑誌での事前情報がまったくなく、TVの予告編にも登場しないという状態でしたので、この時がまさに本邦初公開でした。そのたくましい角と分厚い胸がまさに超ウルトラマンを具現化した姿と言えるでしょう。我々の前で披露したウルトラの父の技と言えるものは残念ながら数がすくなく、有名な「ウルトラアレイ」もただ光るだけで目くらまし以外の効果のほどは良くわかりません(笑)
ただヒッポリト星人の頭部に命中させたクレッセント光線は絶大な威力でヒッポリトの右の触覚が折れてしまいます。
だが善戦むなしく、遥か光の国よりの超長距離の旅はウルトラの父のエネルギーをほとんど消費させてしまっていたのです。父は自らのカラータイマーを投げ、エースにエネルギーを分け与え力尽きます。復活したエースはメタリウム光線によりヒッポリト星人を倒すのです。
エースよりエネルギーを分けられ、復活したウルトラ兄弟たちは、父の体を宇宙へと運びさるのでした。
このとき、一瞬「オリオン座」が現れるのですがこれは光の国のあるという「M78星雲」が実際にはオリオン座の三つ星付近に位置する星雲であることからだと思われます。地球から1600光年はなれている星雲ですが、劇中では300万光年はなれているとの設定ですから、このあたりは微妙なところですね。
また、残り少ない父のエネルギーで何故5兄弟が復活したのかとの疑問には、1994年発行の「ウルトラマン解体新書」の中で「ウルトラの父の活動に必要なエネルギーがウルトラ兄弟よりも多かったため、父にとっては足りないエネルギーでもAや他の兄弟には充分だったため」との考察がなされています。
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